ビジネス書は、経営指針を考えるうえでも重要なものです。経営指針のなかにも経営理念と同じようなものもありますが、全体として、具体的な数値目標もたてるものです。無理な目標ではなく、具体的かつ実現可能な目標を掲げ、必要ならば、定期的に見直すというのが経営指針です。ビジネス書ではこうした経営指針をつくるヒントが語られていることが多いのです。儲かればなんでもやるというのもひとつの経営指針ですが、法則的な成長をするためには、経営指針が必要です。ビジネス書の著者である経営者は社史を詳しく語ります。どのような経営指針でどのような結果が出たのかということについて、総括がしっかりしている経営者が多いのです。
ビジネス書を読んで感心するのは、成功した経営者が失敗を総括し、そこから教訓を導き出し、新たな展開をしていることです。数値的な目標、量的な目標を達成したら、必ず質的な点検をしていることです。質的な向上のない経営に未来はありません。このため、多くの経営者が書いたビジネス書では、量的な成長とともに、質的な向上の目標が明確に掲げられています。ひとつの企業の社史を考える時に、経営の質の向上がもっとも大きなテーマとなるでしょう。
ビジネス書の永遠のテーマである経営の質的向上については、経営陣はもちろん社員ひとりひとりの意識を変えていくことが大切です。ビジネス書には、きわめて重要なメッセージが書かれていることが多いのですが、残念ながらそれらを読み流してしまうことも多いものです。そうしたなかでも、経営の質的な向上を基本に据えようとしている経営者は、ビジネス書のちょっとした言葉を自社の経営指針のなかに活かそうとします。意外なことですが、男女が協力して働き、双方が快適に働ける環境づくりについて経営指針のなかに掲げている企業はまだ少ないといいます。
ビジネス書のなかでも、社員各人の心に響く、経営指針づくりはとても重要なテーマとなっており、社内の矛盾ばかりでなく、一般社会の矛盾の是正に挑戦するような刺激的な経営指針も重要になってきているかもしれません。
ビジネス書でよく見かけることですが、新しい事業を起こす場合もいかにも儲かりそうなビジネススタイルでは意外に社員も奮起せず、景気の変動に左右されるものですが、本当に必要とされていながらもほとんどの企業がまともに取り組まなかった事業についてはオンリーワンの自信をもって意欲的に社員が参加してくるという状況も見られます。そうした事業メニューを探し出すうえでも、ビジネス書から学ぶことは少なくありません。